エッセイ

少年時代

山本 幸治

 上堂→宮本→山本。内子→立川→古川→双海。これは少年時代の私の七変化です。理由は両親の離婚ですが、その効果か?たるや抜群で、今に至るまで姉弟げんかは只の一度もないというのが自慢です。
 子供のころ、おふくろに連れられて風呂屋によく行ったのを思い出します。昔のことですから小学校3~4年生くらいまでは男の子も女風呂に入っていました。5年生位になったころだろうか急に恥ずかしくなって男湯に入るようになったのですが、あまりの雰囲気の違いに、慣れるのに少し時間がかかったように思います。双海に来て少し経ったころ気の強い僕は上級生にいじめられることもありました。その日何となく元気のない僕の背中を流してくれながら「こうちゃん、お母ちゃんはいつもあんたの味方だからね」とぽつんと言った、今も忘れることのできないこの一言に、どれだけ勇気を貰ったかわかりません。グレかけていた頃引き戻してくれた言葉でもあり、見習い時代をクサラズに済んだ言葉でもあります。時々思い出すと"お母ちゃんありがとう"と呟いてしまいます。言葉の力って凄いですね。これからも"ありがとう"を呟きながら力一杯生きていきま~す。

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